ペニスたちの動きは、あくまで緩慢だった。

 逃げようと思えば簡単だっただろうに、三人のメイドはその場から動こうとせず、不思議な虫か小動物のように跳びかかってくるペニスたちを、

「やあ、あん」

「いや……やめ」

 口だけ小さな悲鳴をあげ、受け入れた。

夢のペニスで処女を散らす

 堅く勃起しているくせに、ペニスたちは柔軟に少女たちのからだを這いまわり、さらには服まで脱がせていった。

 小さなペニスたちが器用にシャツのボタンを、スカートのホックを外してまわり、大ぶりなペニスが衣服を剥ぎ取った。

 下着もまた、すぐに脱がされてしまったが、靴と靴下は面倒だったのか、放置された。

「あ、レーセ、フォロ」

 とフィレは、自分にとって妹同然であるふたりのメイドの裸体を見つめた。

 ふたりとも、自分同様、ヴァギナを蜜で溢れさせていた。

 床にへたり込んだレーセの股の下には、垂れた愛液が溜まりをつくっており、まだ陰毛の生えてないフォロの小さな秘所もとろとろで、ひくひくとふるえていた。

「あ……」

 床に四つん這いになった自分の秘所に、かたいものがふれるのを、フィレは感じた。

 とろけるような興奮のなかに、恐怖心がまじった。処女の喪失は痛みをともなうという知識くらいある。

 しかし―――いきなりずんと突かれ、フィレは高い声をあげた。

「ああ、ああ――――――!」

 痛みなどまるでなく、からだを貫いたのはただ快感のみだった。全身が性感帯となったようで、しかも突かれるたびに、その性感帯すべてがふるえた。

「しゅ、しゅごい、気持ちいい、気持ちいい!」

 そんなフィレの様子に、ほかのふたりの目の色も変わった。

「わ、わたしも……」

 と、レーセは自らの手でペニスを秘所に導き、

「きもちいく、なりたい」

 仰向けになったフォロは、その股間を限界まで開いた。

 ふたりのヴァギナも、すぐに夢のペニスによって貫かれた。

「ああ、ひあああああああ」

「わあ、わあああああ――――――ん」

 最初の挿入によって、同時にふたりはいったらしい。

 その秘所からは透明な潮が、勢いよく噴き出した。むろんそれでおわるはずもなく、ペニスたちは激しくピストン運動をつづけ、彼女らに快感を与えた。

快楽の宴。白濁に染まってゆく少女たち

 少女たちの膣に入り損ねたペニスたちも、おとなしくはしていなかった。

 きわめて大きなペニスが、フィレの目の前まで迫ってきた。

 その大きさに一瞬ひるんだものの、フィレはすぐに、その亀頭へむしゃぶりついた。

「ん、ん、んちゅ、じゅる、じゅぶぶ、ぢゅぶ」

 亀頭や尿道口を舐めまわすと、その舌からすら快感を感じた。

 レーセとフォロの状況もすごかった。

 レーセの口には、さほど大きくないペニスが、しかし二本同時に突っ込まれ、フォロの口には、幼児のもののような小さなペニスが、四本一緒に突っ込まれていた。

 手も、また見逃してもらえるはずはなかった。

 フィレの右手には、大きなペニス一本が、左手には、中くらいのペニス二本が、亀頭をこすりつけるようにすり寄ってきた。フィレはそれらを握りしめ、三本同時にしごいた。

 レーセの手を犯したのは、小さなペニスたちだった。左右の、五指のあいだの計八つの股に、小さな八本のペニスが入り込んできて、レーセは指の股を使ってそれらを一緒にしごきたてた。

 フォロの左右の手には、巨人のもののような巨大なペニスが、それぞれ亀頭をこすりつけていた。フォロはその両手をもって、大きな亀頭を一生懸命に揉んだ。

 しばらくして起こった現象は、射精、射精、射精であった。

 メイドたちの口内のペニスは、とても呑みきれない大量の精液を放ち、少女たちの口からはよだれと混じったおびただしい白濁液が流れ落ちた。

 手で愛撫されるペニスも、同じくすごい量の精液を放出しつづけ、メイドたちの裸体を精液まみれにした。膣内のペニスも当然大量射精し、その精を受けるたびに、少女たちは絶頂に達した。

快感の彼方。穴という穴を犯されて…

 射精するたびに、ペニスたちは抜け落ちるようにメイドらから離れたが、すぐに他のペニスが取って代わった。しかしそれでも、ペニスの群れはなおあまっている。

「んっ―――!?」

 尻に―――肛門に、フィレは熱く堅い感触を覚えた。

 アナルを、犯される―――そうと知りつつ、フィレに恐怖はなかった。

 このペニスたちが与えてくれるのは快感のみであるという、一種の信頼が、フィレのなかにはできあがっていた。

 期待が、裏切られることはなかった。あるいはいい意味で裏切られた。

 尻の穴へ突き込まれたとたん、快感は倍増どころか三倍増した。もはや、人間的な思考すら吹き飛んでしまうほどの快楽だった。レーセも、フォロも、同じようにアナルを犯されていた。そしてその目はイっていた。

「んん、んん、んん……!」

「あん、ぬぐぐ、んんんん!」

「はむ、あんん、あんんんん!」

 メイドたちの白い、絹ような肌の上には、余ったペニスたちがまるで芋虫のように這っていた。

 フィレやレーセの、比較的大きな胸の谷間へも、ペニスは入り込んできた。

 フォロの胸にふくらみと呼べるようなものはなかったが、それでも乳首は勃っていて、その乳首へとペニスたちは亀頭をなすりつけた。そしてぴゅっぴゅと射精した。

 いまとなっては、メイドたちの脳内に言語的思考など存在はしなかった。

 ただただ快感と悦楽を感じる、少女たちのすべてはそのためだけの器官と化した。

 彼女たちはひたすら、ペニスを愛撫し、精液を受け、そして絶頂しつづけた。

「んん、んん、んん……んんっ!?」

 それでもなお、あらたな快感は待っていた。

 フィレは、体の五つの部分に、さらなる刺激を感じた。へその穴と、ふたつの耳の穴と、そしてふたつの鼻の穴。

 赤ん坊のもののような小さなペニスが、そこに狙いを定めていた。

 そして、突き込まれた。

「んんんんんんんんんんんん――――――――――――!!」

 文字通り、体中の穴という穴を犯され、フィレは快感の極みにいた。

 レーセとフォロも、すぐにフィレ同様、へその穴と、耳の穴と、鼻の穴を犯された。

 口と鼻、両方ふさがれているというのに窒息しなかったのは、それらペニスが現実のものではない、夢の物質でできたものだったからに違いないが、ただひたすら悦楽を感じるのみの少女たちにそんなことを考える余裕はなかった。

 ただひらすら、快感、快感、気持ちいい、気持ちいい―――

 ここまできては、全身の毛穴を、目に見えないダニのように小さなペニスたちに犯されていたとしても、なんの不思議でもないことだった。

 少女たちは、これまで生きた人生のなかでもっともすばらしい時間を、ペニスの群れに突かれながら過ごしつづけた。

快楽の夢は明日も続く

 はたして、何時間たった頃だろうか。

 フィレはゆっくりと目を覚まし、天井を見つめた。

 ペニスたちは―――消えていた。全身をどろどろにしていた多量の精液も、跡形もない。

 顔を傾けて、レーセとフォロを見た。ふたりとも、全裸で、気持ちよさそうに眠っている。

 また、天井を見て、それから考えたのはパタントゥ伯爵のことだった。

 伯爵はまだ、眠っているのだろうか。夢精していたり、するのだろうか。そうして次は明日からの食事のことを考えた。伯爵により精力をつけてもらうには、どんなご飯がいいだろう。

 あのペニスの群れは、伯爵のなかに芽生えた性的衝動のあらわれなのだと、レーセはいった。

 であるなら、事前に自分たちで夜伽でもして、伯爵の性欲を満足させてあげれば、あれらが出てくることは防げるのかもしれない。それも、いい。一度くらいは、伯爵の「生」のペニスを味わってみたい気持ちはある。

 けど、それではたぶん、あれほどの快感は味わえまい。

 だから、伯爵にはたっぷりと精力をつけてもらう。自慰行為はさせない。そのように教育する。そうして、毎晩毎晩、あの夢のペニスでわたしたちを犯してもらうのだ。

 その計画はとても素敵なもののように、フィレには思われた。知らず知らずのうちに、幸福で、そして淫靡な笑みが、フィレの口元には浮いていた。