
宮狐町入り口・根吸いの幼女
「きみはまだ、宮狐町に行ったことがないのかい?」
と、あるとき友人がいった。
僕は、
「うん」
とこたえた。
夜の宮狐町へ
「それはもったいない。きみももうそれなりの年齢だ。遊びのひとつも覚えるべきだ」
と友人はいった。
宮狐町(みやこまち)という町のことは、きいたことがあった。むかしからある一種の色街、娼街だが、かなり不思議なところなのだともきいていた。
「ちょうどいい、連れて行ってやろう。今夜、あいているだろう?」
「うん」
多少の抵抗感がないといえば嘘になるが、期待もあったので、僕はうなずいた。
夜になった。
僕と友人は、共に出かけた。
空にはいくつもの星があった。黄色い点のような、瞬かない、絵のような星空だった。
宮狐町の周囲は、朱色に塗られた和風の木壁に囲まれていた。神社を思わせるようなのような門があって、あかるい提灯が幾つもぶら下がっていた。狐の仮面を付けた門番がふたり、左右の門柱のそばに、木杖を持って立っていた。
「むかしは、娼婦が逃げないように、こんな壁を作っていたらしいのだけれどね」
と友人がいった。
「いまは単純に、外との境界としての意味のみがある。訪れる客に、非日常というか、異世界的な感覚を味わって貰うための仕切りなのさ」
なるほどと思い、僕はうなずいた。
支払いをし………………僕たちは門をくぐった。支払った。そう、支払いをした。でもなにを? 料金を、だと思うけれど。誰に?
「まずは湯に浴びよう。遊ぶ前に、体を綺麗にしなくてはね」
友人の声に、僕は我に返った。いつのまにか、目の前には湯気を立てる温泉があった。どこからともなく、白い浴衣を着た、十三~四歳の少女ふたりがやってきて、僕と友人の服を脱がせ始めた。
少女にペニスを洗ってもらう
「彼女たちは、体を洗ってくれるだけだ。遊ぶ相手ではないから、勘違いしてはいけないよ」
そういった友人は、すでに全裸になっていた。
その体を、僕は羨望と、嫉妬と、劣等感を込めて眺めた。
友人は僕より身長が高く、胸や手足の筋肉もたくましかった。
何より立派なのは股間のペニスだった。僕の十倍くらいあるのではないかという大きさで、先端の皮は剥け亀頭を美しく露出させていた。睾丸もどっしりとしてとても重そうだった。
幹も、亀頭も、睾丸も―――芸術品のようにすばらしい形をしていた。
僕の服もいつしか脱がされていた。股間の包茎は、友人のペニスに比べるとあまりに儚げだった。
全裸になると、風呂椅子に座らせられた。少女は僕にお湯をかけ、石けんを手に塗って泡立てて、僕の体を肩から洗い始めた。
少女のなめらかな手が、体を滑る感覚。少女は浴衣をまとったままだったが、後ろから体を密着させてきたので、その胸の感触も伝わり、僕のペニスは勃起し始めた。
友人が苦笑した。
「この子たちは遊び相手じゃないといっただろう? まあ、本格的な遊びに備えて、多少昂ぶらせるくらいならよいだろう」
そういう友人も、その立派な性器を、もう片方の少女によって洗われていた。
もう片方の少女はうっとりした様子で、友人のペニスをしごき、睾丸を揉んでいた。少しずつだが、友人のペニスも膨張し始めていた。
やがて、僕のペニスにも少女の手が触れた。少女の繊細な指と、やや粘性の高い泡の感触に、僕のペニスは包まれた。
少女の指は小刻みに動き、ペニスを、睾丸をくすぐりまわした。
「ああ……」
恍惚とした声を出した僕に、少女がいった。
「皮を剥いて洗いますね」
その言葉はすぐに実行された。少女の指が僕の先端をつまみ、包皮を優しく剥きおろした。あらわになった亀頭が、少女の手のひらに包まれた。
亀頭と、剥けた皮の内側。敏感な部分に泡を塗られ、軽やかにしごかれて―――限界が訪れた。
「ふあっ」
情けない声とともに、僕のペニスは少女の手の中で跳ねまわり、精液をほとばしらせていた。
「あっ」
と、少女が左の手を亀頭にかぶせ、精液が飛び散らないようにした。
「おや、出してしまったかい。娼婦じゃない相手で射精するのは、本来は作法に反するのだけれどね。まあ、出てしまったものはやむを得ないか」
と、友人がいった。
宮狐町、その入り口
体を洗い終わると、浴衣を着せられた。
浴場を抜けると、お祭りのように賑やかな通りに出た。
「ここが宮狐町の入り口だよ」
そこらじゅうに提灯がぶら下がり、通りは橙色のあかりで満ちみちていた。
大勢の男たちが、娼婦であろう妖しい女を連れて歩いていた。
建物の多くは木造で、二階や三階の窓からは、娼婦たちが気怠げに顔をのぞかせて、通りの客たちを品定めしている様子だった。
周囲を見回すばかりだった僕だが、ふとあるものに気付いて、そちらを見つめた。
通りの隅に、ござを敷いて、そこに何人もの裸の少女たちが、ぺたりとすわりこんでいた。
幼い少女たちだ。小さい子は三歳くらい、大きい子でも十歳くらいと思えた。
みな通りの中心のほうへ向かい、目を閉じて、キスするように唇を軽く突き出していた。
根吸い。幼女たちのフェラを楽しむ
「あれは?」
訊くと、友人は答えた。
「ああ、あの子たちは根吸いだよ。まだ未熟な娼婦たちだ。これは、こうして遊ぶ」
友人は浴衣をはだけ、ペニスをあらわにした。そうして8歳くらいの赤毛の女の子の前まで行き、亀頭をその唇に押しつけた。
ぱっと見、女の子に反応はなかった。座り込んだまま、人形のように目を閉じたままだったが、よく見ると、ペニスを押しつけられた唇をもごもごを動かしていた。
ぴちゃぴちゃという、小さな音。舌を使って、友人の亀頭を舐め回しているらしい。
刺激を受け、友人の大きなペニスは勃起し始めた。
「きみもやりなよ。好きな子を使っていい」
友人が、僕のほうを見ていった。
幼い少女によるフェラチオを目にし、僕はすっかり勃起していた。
さっき浴場で出したばかりだというのに、浴衣の下のペニスはぎんぎんに硬くなって、先走りの液を漏らしていた。
ごくりとつばを飲み、少女たちを見まわした。
七歳くらいの、長い金髪をした少女が、すごく好みだった。白い肌に浮く、ピンク色の小さなシミのような乳首を見ると、ペニスがより硬くなった。同じ色をした唇を見ると、それだけで射精しそうになった。
その子の前まで行った。少女はやはり、人形のようにじっとしている。友人がやったように、浴衣をはだけ、ペニスを出して、その先端を少女の口に押しつけた。
すぐに刺激は訪れた。まるで乳を吸う赤子のように、金髪の少女は僕のペニスを吸い始めた。舌も、伸ばしてきた。小さく薄い少女の舌が、僕の先端をぺろぺろ舐めるのを感じた。
「ああ、あああ…」
快感と興奮に、僕はちょっとだけ前に出た。
亀頭が、少女の唇の奥へと入っていった。少女はさりげなく唇と歯を広げ、僕を受け入れてくれた。
あいもかわらず、少女は目を閉じたままだった。ちょっと前のめりの姿勢なので、両手はござに付いており、その手を動かすことはなかった。無言に、無感情に―――僕のものを愛撫するその口技は、それでいながらあまりにも巧みだった。
「ああ…あぅあ……」
少女の薄い舌が、亀頭を覆う包皮の中に入ってきた。
舐められながら同時に押され、皮が剥かれていった。
皮が剥き終わると、少女の舌は柔軟に亀頭を貼った。舌先はカリの溝の部分をも巧みにくすぐった。
快感をもっと得たくて、僕はさらに前に出ていた。ペニスが根元まで、少女の口内に入り込んだ。そこまでくると、いつのまにか少女の動きも大きくなっていた。少女は僕を射精させるべく、顔を前後に振り始めた。
恍惚と、僕は自分のものをしゃぶる少女を見つめた。
可憐な少女はじゅぶじゅぶと音を立てながら、頭を前後に振っていた。
幼女のフェラチオという、普通なら見ることのない夢のような光景に、ぞくぞくした興奮感が背筋を這った。目もくらむような感覚とともに、射精感が高まってきた。
「出るっ」
少女の狭い口内で、僕のペニスは跳ねまわり、大量の精液を放出していた。少女の口の中にはとても収まりきらず、唇の端から、白い精液はとろとろとこぼれ落ちた。
「ふああ」
後ずさり、僕はその場に尻餅をついた。
友人が笑った。
「また出してしまったのかい。もったいないことだね。根吸いはひとりの子だけにさせるんじゃなく、いろんな子にしゃぶらせて楽しむものなのだよ」
そういった友人は、最初とは違う、黒髪の少女にペニスをフェラさせていた。
勃起しきった、その巨根。亀頭だけであっても、幼女の口に入るようなものではなく、黒髪の少女はただ先端を舐め回すのみだった。羨望。嫉妬。
ふと、くらりときた。めまいと共に、あらがいがたい眠気が訪れた。
「やれやれ、まだ入り口だというのに。きょうはここまでかい? まあいい。また後日、来るとしよう」
友人の声が聞こえた。
ふと不思議に思った。友人―――この友人は、いったい誰なのだろう? 何者なのだろう? というより、僕は何なのだろう? 名前は? 年齢は? 親は? 出身は? どういう人生をたどって、ここまできた? よくわからない。僕はいったい何者なのだろう?
いくつかの疑問が脳裏に浮かんだが、あまりに眠くって、どうでもよくなったので、僕はそのまま眠ってしまった。