シェピアは生まれてまもなく母を亡くした。

 父は、シェピアが三歳のとき、彼女を置いて、何者ともわからぬ女とともに去っていった。

 ぼろ家でひとり、おなかをすかせて泣いていると、近所のひとが助けに来て、食事を恵んでくれた。

 その近所のひとは、親切ではあったが、さりとてシェピアを養えるほど金持ちでもなかったので、夫の遺産を使って孤児院をはじめたばかりの、マイアという老婦人が、彼女を引き取ってくれた。

 シェピアはマイアの最初の子として、孤児院で育てられた。

 それから十年がたった。

 院長マイアは、年齢的なものもあり病に倒れた。

 死期をさとったマイアは、シェピアを呼び、孤児院を運営する資金は、信頼できる慈善事業家のもとで運用してもらっており、月々必要な額が仕送りされるよう依頼しているから、心配することはない旨を告げた。

「けど―――

 とマイアはつづけた。

「これからは、あなたが院を切り盛りするの。あなたが、あの子たちの面倒をみるのよ、シェピア」

 そうして息を引き取った。

 シェピアは泣きながら、養母の亡骸へ誓った。

「はい、先生、わたし、がんばります。お言葉どおり、この身を犠牲にしてでも、院をまもり、弟たちを立派に育てあげます」

孤児院代表、シェピアのお仕事

 そうしてさらに、三年がたった。

 夜、自室で、シェピアは孤児院の金銭出納を帳簿につけていた。

 ふと時計をみると、八時だった。そろそろ小さな子たちを、寝かしつけねばならなかった。

 軽く肩をまわし、背伸びをして、シェピアは椅子から立った。

 部屋を出る直前、鏡のまえで足をとめた。

 長い栗色の髪は艶やかだったが、田舎娘らしい素朴な美貌は、若干くすんで見えた。

 少し、疲れているのかも知れない。年長者として、子供たちの世話をするのも、なかなかに大変であるのだ。

 肩をすくめて、シェピアは大部屋に向かった。

 三歳の子がひとり、五歳の子がひとり、六歳がふたり、八歳の子がひとり、あわせて五人の子供たちが、枕投げして遊んでいた。

 全員が、男の子だ。

 この孤児院に女の子は、最年長であるシェピアしかいない。

 シェピアとしては、妹のひとりやふたり欲しいのであるが、そういうめぐりあわせなのか、入ってくるのはみな男の子ばかりなのだった。

 ぱん、とシェピアは胸元で両手をならした。

「はい、そこまで。そろそろ寝る時間よ」

 八歳の子は「え~」と不平をいい、六歳のふたりは素直に「は~い」と返事をした。

 五歳と三歳のふたりは、絵本をもってきて、「これ読んで」とねだった。

「はいはい、読んだげるから、ベッドに入ろうね」

 小さい子らをベッドに寝かせ、シェピアは椅子に座って本を読み聞かせた。

 短い物語を読みおえのを待たず、子供たちはすうすうと寝息をたてはじめた。床につくことに不満気味だった八歳の子など、真っ先にかーかー眠ってしまっている。

 ふぅ、吐息をつき、シェピアは明かりを消して、大部屋を出た。これからの時間は、もう少し大きな子らの面倒をみてやらねばならない。

十一歳の弟と、一緒にお風呂

 廊下で、十一歳のムーネに会った。とろんとした、いつも眠そうな目をした弟だ。着替えらしきものを、脇に抱えている。

「ん? いまからお風呂?」

 訊くと、こくりとうなずき、「うん」といった。

「そっか、ちょうどいいわ。わたしも一緒に入っていい?」

 ちょっと頬を赤くさせ、ムーネはまた、「うん」とこたえた。

 いったんシェピアが部屋に着替えを取りに戻り、ふたりしてお風呂に向かった。

 脱衣所で服を脱ぎ、裸になった。

 服を身につけていたときから、ズボンのまえのささやかなふくらみで気付いてはいたが、ムーネの小さなペニスはすでに、かたくなってぴんと上を向いていた。

 浴室のドアを開け、一緒に入りながら、

「まず、先に出しちゃおうね」

 ムーネはまた、「うん」といった。

 とりあえずそのままでは寒いので、シェピアはお湯を浴び、ムーネにもかけてやった。そうしてムーネの後ろにまわりこみ、後ろから手をまわして、指先でムーネの性器にふれてやった。

包茎ペニスを優しく手コキ。射精に導く

「あっ」

 と、ムーネが声を出した。シェピアは左手で陰茎同様小ぶりな袋を優しく撫で、右手の指でペニスをつまむように持ち、軽い力でしごきはじめた。

「うう、うう」

 うなりながら、ムーネがだんだんと前屈みになり、やがて四つん這いになった。

 自然とシェピアも前のめりになって、胸やおなかがムーネの背中に、腰がムーネの尻に、密着するかたちとなった。

 くりくりくりくりと、シェピアはムーネの小さなペニスをいじりつづけた。

 ムーネの亀頭はまだ、包皮に包まれたままで、完全には剥けていない。

 手術が必要な類の包茎ではないようだが、いまのところ、無理に剥こうとすると痛がってしまう。

 余計なことはしないでも、そのうち自然に剥けるようになるだろうから、シェピアは特に気にしてない。

 亀頭が露出するようになったら、恥垢はこちらで取ってやらねばならないなどとは思っている。

「痛くない? おちんちん気持ちいい?」

「うん、きもちいいよ、おねえちゃん」

 ペニスの先端から、先走りの透明な液が漏れ、糸を引いてしたたり落ちた。

 勃起した性器が、さらに膨らみつつあるのを、シェピアは指先で感じた。

 そろそろかな、と思ったので、手の動きを速めてやると、すぐにペニスの尿道口から、ぴゅぴゅっと、白い液が飛び出した。

「ん、出たね」

 そういってシェピアは、人差し指と親指で作った輪っかで、ムーネのペニスの根本を握った。そうして先端のほうへと動かして、残った精液をしぼってやり、手を離した。

「それじゃ、からだ洗いましょ」

 ムーネはちょっと恥ずかしそうに、「……うん」といった。

 それからふたりでからだを洗いっこし、湯船につかった。

 湯から出ると、ムーネの性器はまた上を向いていた。ねだるような、切なげな顔をする弟に、ちょっと心が動かされたが、シェピアはあえて厳しい表情を作った。

「だーめ、一日一回までって約束でしょ」

 まだまだ、先がつかえているのだ。