
シェピアの孤児院 2
風呂からあがると、シェピアは下着はショーツだけ身につけ、その上にガウンを羽織り、ミレンの部屋へ行った。
ノックして部屋に入ると、ミレンはベッドに腰かけていて、足をぱたぱたさせながら、
「来た来た」
といった。
ちょっと生意気な年頃の弟へお口で奉仕
なにが来た来ただ、とシェピアは思った。活発で生意気な性格をあらわすかのように、ちょっと癖のあるミレンの髪は、かためでつんつんとしていた。
「遅いよ、待ってたんだよ」
ミレンは一度、ズボンの内側に両手を突っ込み、そうしてみずから、下着ごとそれを膝下まで引きさげた。勃起して亀頭を露出させたペニスが、その勢いでぶるんと揺れた。
「はいはい」
嘆息しながら、シェピアはミレンの隣に腰をおろした。
軽くペニスに手を添え、少年の股間に顔をうずめて、まずは亀頭を、くちびるではんでやった。
それから舌を使って、ぺろぺろと舐めまわし、ペニスの裏側の筋に沿い舌を這わせた。そののち根本まで咥えてやって、顔を上下に動かしはじめた。
「ふふん」
と頭上で、ミレンが鼻を鳴らす声が聞こえた。シェピアはちょっと眉をひそめたが、行為はつづけた。
フェラ好きミレン
十二歳のこの弟は、むかしからフェラチオを好んだ。彼よりひとつ下のムーネなどは、フェラしてあげるとかえってくすぐったがってしまうのであるが、ミレンは逆に、手より口での愛撫を望んだ。
単純に、舌や口内の感触を味わうのが好きなのでもあろうが、一方では口で奉仕させることにより、年長の女性を屈服させているというような、いわば心理的快感を得んとしているフシもある。
ミレンのそんな生意気さは、シェピアにとって少しだけ腹立たしいものではあったが、この年頃特有の、虚勢まじりの不遜さであろうと解釈し、基本、大目にみることにしている。
最初ズボンに手を突っ込んだあの行為だって、見えないところでこっそりペニスの皮を剥きおろすためにやったことだと、シェピアにはわかっているのだ。
亀頭を舐めまわす。
裏筋に舌を這わせる。
ときどき指先で睾丸をくすぐってやり、口腔全体で包んで上下してやる―――ペニスが射精直前に高まるまで、その繰り返しだ。
なんだかんだいって、かわいい弟のモノではあるから、雑になることなく、丁寧に愛撫をつづけていたシェピアであったが、そのときするりとミレンの手がガウンの胸元から入ってきて、シェピアの乳房にふれた。
好奇心旺盛な弟のいたずら
「こら」
ペニスから口を離し、シェピアはミレンの手を叩いた。
「いたずらしないの。やめちゃうよ」
ちぇ、と、ミレンは不満げな声を出した。
「ケチだな、ねえちゃん。いいじゃん、減るもんじゃなし」
「おわったあとなら、さわらせてあげてもいいから。でもいまはダメ。集中できない」
少しみだれた髪をなでつけ、シェピアは弟へのフェラを再開した。
最近になって、ミレンはよく、行為中にいまみたいないたずらをするようになった。
以前は、態度こそ偉ぶりながらも、咥えられればすぐおとなしくなったものだが、最近はこういうことにもだいぶん慣れてきて―――調子に乗っているらしい。
こういうのもまた、一種の成長ではあるのだろうか。そういえば、おちんちんも大分大きくなった。一年前は、いまのムーネより小さかったくせに。三ヶ月ほどまえ生えはじめた、うぶ毛のような陰毛も、だんだん濃くなっている……
そんなことを考えつつ、ペニスをしゃぶってあげていると、またミレンの手が伸びてきて、胸をふにふに揉みはじめた。
「…………」
叱り直そうと、シェピアはしなかった。一瞬動きととめたあと―――彼女はさっきまでの倍くらいのスピードで、猛烈に顔を振りはじめた。
ミレンが慌てた声を出した。
「ちょ、つよすぎ、やめ、ひぁ、出る、出る」
ミレンのペニスが跳ね、生暖かく塩辛い精液が、びゅくびゅくとシェピアの口内へそそぎ込まれた。
三度―――いや四度にわたる放出がおわったのち、シェピアはミレンの性器から口を離し、そばにあったティッシュを三枚ほど取って、口内にためた、たっぷりとした精液を、そこに吐き出した。
口をぬぐい、それからスマートな動作で立ちあがり、
「はい、済み。早漏くんははやくて助かるわ」
「…………」
「じゃね、ちゃんと歯、みがいてから寝るのよ」
ひらりと身を翻し、部屋から出ていった。