カファンの部屋から出て、シェピアは再度風呂に入った。

 精神的には、憂鬱といってよかった。

 カファンと一緒にいたときあじわった切ない気持ちは、まだ胸の中にあった。

 締め付けられるようで、苦しくて……それを振り払いたいと、シェピアは望んだ。

 体も、うずいていた。カファンと性器をこすりあわせ、一度はいったものの、全然足りない。

 風呂から出て、パルアの部屋へ行った。

最も年長の弟、パルア

 十五歳、弟たちのなかではいちばん年長のパルアは、机で書き物をしていた。シェピアのほうを見―――どこか不敵に―――微笑した。

「どうしたの?」

 そういいながら立ちあがったパルアの身長は、すでにシェピアより頭ひとつ分以上高く、体つきも細身ながらにたくましかった。

 ベッドに腰を掛け直したパルアの隣に、おずおずとすわりながら、

「その……いつものように……面倒見てあげに」

 とシェピアはいった。

「うそ」

 とパルアは微笑したままいった。

「面倒見てあげに―――じゃなくて、見てもらいに、でしょ?」

「ひあっ」

 とシェピアは声をあげた。

 パルアが突然、シェピアの耳を舐めはじめたからだった。

 パルアは腕をまわし、シェピアのもう片方の耳をふさいだ。

 そのせいで、くちゅくちゅした音が頭の中に響き、シェピアの下は たちまちに濡れはじめた。

「ふふ」

 とパルアが笑った。シェピアの反応を、熟知しているが故の笑みだった。

シェピアを知り尽くしたパルアのテク

 パルアはくちびるを、耳から頬へと這わせ、そしてシェピアのくちびるをうばった。

 さし込まれた舌へ、シェピアも舌を伸ばした。

 夢中で、絡めあった。そのうち性器のほうから、しびれるような快感が伝わってきた。パルアがシェピアのクリトリスを、下着越しに、指先で撫ではじめていた。

「あ、ふぁ、パルア」

 くちびるを離し、シェピアは潤みきった目で、パルアを見つめた。

「もっと、もっと、直接して。かきまわして」

「ふぅん」

 そういいながら、パルアが下着の中へと、手を入れてきた。

 パルアの指は、まるでギター弾きのようによく動いた。

 親指と人差し指はクリトリスを挟み込むようにして刺激し、残り三本の指で、陰唇や膣内を、乱暴にならないぎりぎりの強さで、リクエストどおりかきまわした。

「ああ、すごい、しゅごい」

「きょうはずいぶん感じやすいね」

 微笑したまま、パルアがシェピアのショーツを脱がせた。

 足をあげさせ、すっかり濡れそぼってしまった下着を抜き取ってから床へひざまずき、シェピアの両足の間へと、顔をうずめた。

「ふああ!」

 クリトリスを強く吸われ、シェピアは悲鳴をあげた。

 パルアの舌は、陰核を舐め、陰唇を舐め、ヴァギナ内部にまでさし込まれ、中をくすぐった。

 特別変わったクンニリングスではないが、その微妙な緩急は、シェピアがどうすれば気持ちよくなるのか、それがわかりきっているパルアならではのものだった。

 快感はますます高まった。いく、いっちゃう、さっきみたいに、潮吹いちゃう、弟の顔に向かって―――

 シェピアが絶頂に達するその直前、パルアは姉の性器から顔を離した。

「え―――

「そろそろ、ぼくも楽しませてもらおうかな」

 パルアは立ちあがり、ズボンを脱いだ。

 勃起したペニスは、パウロンのものほどではないにしろ、十分にたくましかった。ただの肉棒のはずなのに、いつも魔法のようにシェピアに悦楽を与えてくれる、パルアのペニス―――

「んじゃ―――

 性器を、やや鷹揚に姉の膣口へあてがって―――そこで一気に突いた。

弟のモノでなんども突かれ連続潮吹き

「ひゃああああ!」

 突然の衝撃に、シェピアはその瞬間達した。尿道口からは大量の液体が噴き出し、パルアの腰と、ベッドシーツをびしゃびしゃにした。

「しちゃったね。お漏らし」

「いわないでよう」

「でも、まだまだ満足ってわけじゃあ―――ないよね」

 パルアが腰を動かしはじめた。

 シェピアがすでにできあがっているとわかっているから、その動きはハイペースで力強かった。

 子宮をずんずんと突かれ、シェピアはあえぐしかなかった。

「あぁ、ふあ、いや、ひゃああ!」

 腰でシェピアのに快感を与えながらも、パルアの上半身はきわめて冷静に動いた。

 まずはみずからの上の衣類を脱ぎ、それからシェピアのガウンを脱がせた。

 お互いに全裸になったあと、シェピアの上体を抱きよせ、キスをしながら、彼女の首筋や背骨の上を指先で撫でた。

「ふああ、気持ちいい、気持ちいいよ、パルア、パルアァ!」

 にたりと、パルアが、サディスティックといっていい笑みを浮かべた。

「それにしても、好きだよね、シェピアも」

「へ? ふぇ?」

「きょうも、他の子たちのところもまわってきたんでしょ。そんなに男のモノが好きなんだ」

「そ、そんな、違うもん。面倒見てるだけだもん。姉として」

「面倒、ね」

「しゃ、射精させてあげるだけ。だからキスはさせないし、セックスも」

「ぼくとはしてるじゃない。ぼくは特別?」

「ちが―――これはあなたが勝手にするから」

「たしかに、勝手にしている。―――でもじゃあなんで嫌っていわないの? むしろいつもして欲しそうな顔をして」

「わたしを―――わたしをこんな体にしたのは、もとはといえばパルアが騙したから」

 そうなのだ。院長マイアが死んですぐ、なにも知らない無垢なわたしに、弟たちの性処理をするのも姉の仕事だと―――そういってパルアがわたしを騙したのだ。

 さんざんおもちゃのようにもてあそばれ、気付いたときにはパルアのペニスなしにはいられなくなった。

「んじゃ、騙されたってわかったあとも、どうしてつづけたの? 少なくとも、他の弟たちにまでしてあげる必要はなかったわけだし」

 公平を期して―――などといういいわけが、愚かなものでしかないことくらい、シェピアにもわかっている。

 ああ―――と思う。そうなんだ。パルアのいうとおり、わたしは男の子のおちんちんが大好きなのだ。

 己にかした、キスとセックスはしないなんて制約は、欺瞞以外の何物でもない。

 わたしは望んでいる。

 わたしの体すべてをつかって―――ムーネのおちんちんを、立派に育てあげてやりたい。生意気なミレンを、徹底的に屈服させてやりたい。パウロンの巨根でむちゃくちゃに突いて欲しい。カファンの望みすべてを叶え、彼の生きがいになってあげたい。

 いまはまだ小さい子たちだって、年頃になったら精通するのを待ってなんかあげない。わたし自身の手で、口で、初射精させてやって、それからわたし好みのペニスに育ててやりたい。

「ふふ」

 見透かしたように、パルアが笑った。

「そろそろ―――でしょ。ぼくもいくから、一緒に、ね」

 ピストンの速度が、速まりはじめた。

「ああ、ふあ、気持ちいい、いく、また潮吹いちゃう!」

 パルアのペニスが、最高のタイミングで、シェピアの内部で跳ねまわった。子宮へ精液を浴びせかけられ、同時にシェピアは絶頂に達した。

「ああ、あああ、あああああああ!」

 吹いた潮の量は、先の二回を上まわった。

 シーツでは吸いきれず、床にまで流れ落ちた。

 はあはあと息を荒げるシェピアの、目の焦点はあっておらず、くちびるは半開きで、よだれを垂らしていた。

「きょうは、部屋に戻るのは無理だろうね。ここで寝なよ」

 そういって、どこまでも優しく、パルアがシェピアの頬にキスをした。

「こんごとも、よろしくね、姉さん」

 どこか悪魔のささやきのようにも感じるその声を聞きながら、シェピアは紛れもない、幸福感の中にいた。