
カロの森の魔女
十四歳のギュンと十歳のポウレ―――ふたりの兄弟は、父を早くに亡くし、母マエーの女手ひとつで育てられた。
その母が、ある夏の午後、農作業中、急に倒れた。兄弟はあわてて母を助け起こし、家へ連れ帰った。
高熱を出し昏睡したまま目を覚まさないマエーの様子を見に、村のおとなたちが集まってきた。長老格の老婆がマエーの容体を診て、「カギャ熱じゃ」といった。
母を救うため。兄弟の冒険
「カギャ熱?」
「このとおり、なんの前兆もなく、突然高熱を出し、そのまま目覚めることなく死んでしまう、おそろしい病じゃ。特別な薬がなくては、治ることはない」
「どうすれば」
「カロの森の森の魔女なら、なんとかできるかもしれん」
村から歩いて半日ほどのカロの森に、とある魔女がひっそりと暮らしているという話は、兄弟も聞いたことがあった。
百年以上生きているとか、悪魔を使役するとか、子供をさらって喰ってしまうとか、そんなおそろしい噂もある。しかし母のためである。
「行こう」
「うん」
兄弟はうなずきあって、翌朝すぐ、カロの森に向かった。
カロの森の木々は、葉も幹も黒々としており、昼なのに薄暗くて、おどろおどろしかった。
地面に生える草々もどこか異様な形状をしており、遠くから聞こえてくる怪鳥の声がいかにも自分たちを狙っているようだったが、兄弟は手をつなぎ、勇気をふりしぼって進んだ。
二時間も進んだころだろうか。不気味な蔓がからみあった茂みを抜け、兄弟は呆然と立ちどまった。
目に飛びこんできたのは、陽光のもときらめく花畑だった。
花畑の向こうには小さな家があり、そのそばには泉らしきものもあった。
森の奥、そこだけぽっかりひらけたその場所のまばゆさは、いままでの道のりがひどかっただけに、むしろ幻想的な感じすらした。
と、花畑の向こうにある小さな家のドアが開いた。そうして出てきた人物の姿に、兄弟はまたびっくりした。
「だれ……?」
そう問うたのは、年の頃せいぜい十六~七としか見えぬ、それもとても美しい少女であった。
金色の髪を背中の中頃まで伸ばし、大きな瞳は青い宝石のようだった。青地に赤い帯が巻きついた、どこか不思議な服を着ており、赤い靴を履いていた。
「あの……」
おずおずと、兄のギュンがいった。
「キオウの村に住む、マエーの子、ギュンといいます。こっちは弟のポウレ。―――あなたが、カロの森の魔女なのでしょうか」
「たしかに―――この森に住む魔女はわたししかいない」
そのこたえを聞いて、弟のポウレがいった。
「おねがいがあるんです。母さんが、カギャ熱にかかってしまって、薬が必要なんです」
「カギャ熱―――それは大変ね」
魔女は痛ましげな顔をした。
「待ってて、いま、薬をつくるから。すぐできる」
あまりの物わかりの良さに、拍子抜けしている兄弟のそばへ、数羽の小鳥が近よってきて、ちゅんちゅん鳴いた。
一時間もたたず、魔女は出てきた。泉の前で、そこに泳ぐ魚を見ていた兄弟に、
「はい、これ。一日三度にわけて、一滴ずつ水に溶かして呑ませれば、一週間くらいで治る」
青色の液が入った、ビンを渡した。
「なにかお礼を」
とギュンはいった。
願いを叶えてもらうため、相当な代償を払う決意を、兄弟はしていた。腕を取られたり、目玉を取られたり―――場合によっては、命すら差し出す覚悟を決めていたのだ。しかし魔女は首を横に振った。
「いらないわ。でもくれるというなら―――そうね」
そういって、まずギュンの髪を、それからポウレの髪を、綺麗な手で軽く撫でた。
「これでいい。さ、お母さんが待ってる。はやくおかえり」
ポウレが感動した様子でいった。
「魔女っていいひとなんだね。ぼくらの村に来なよ。こんなところにひとりじゃ、さびしいでしょ」
魔女は儚げに笑んだ。
「それは無理―――わたしは魔女だから。でも大丈夫。友達なら、たくさんいる」
「そうなの?」
「うん、また新しい友達も、できる」
そうして兄弟は魔女と別れ、村へ帰った。
いわれたとおり薬を飲ますと、母はすぐには目覚めなかったものの、その容体はあきらかによくなった。
みんな喜び、母のため勇気を持って行動した、ギュンとポウレをたたえた。
魔女、その密かな愉しみ
カロの森に夜が来た。
机に向かい、今日の日記を書き終えた魔女は、軽くのびをし、立ちあがった。
暖炉の前へ行き、置かれていた小さな石像の頭に、手を置いた。すると鈍い音とともに、壁の一部が奥へずれ、秘密の入り口が出現した。
中へ入ると、すぐに地下への階段があった。
それを一歩一歩下りながら、魔女の頬は上気していた。このような森の奥で隠遁生活を送る彼女にとって、唯一の楽しみといえるものが、これから始まるのだ。
たどり着いた場所は、実に奇妙な部屋だった。
どこが光源ともわからぬピンク色の光で満たされ、床にはふわふわとした大きなクッションが隙間なく敷きつめられていた。
奥の方では、クッションが、まるで玉座のように積みあげられていて、魔女はそこまで歩いていくと、鷹揚に腰をおろした。
「おいで」
魔女がそういうと、部屋の隅のほうで、幾つもの人影が立ちあがり、魔女の方へと歩いてきた。
それらは―――一見すると裸の男性たちであった。
青年もいれば、十代くらいの少年たちも、または十歳にも見たぬであろう子供もいる。
だがよく見ればひとではない。人形だ。肘や膝を構成する球体関節は、人形のものでしかあり得ない。―――だがさらによく見れば……その肌は作り物にしては嫌に生々しく、その目には鈍いながら生命の光が宿っていて、なによりそれらの股間にある勃起したペニスだけは、間違いなく生身なのであった。
「ふふ」
笑いながら魔女は、集まってきた人形たちを―――むしろそれらの股間のペニスを見まわした。
みな、巨根だ。子供の人形に付いているものすら同様で、その幹は腕よりも太く、反り返った亀頭の先はみぞおちあたりにまで達している。
「きょうから、新しい友達が加わったのよ。紹介するわ。来なさい、ギュン、ポウレ」
そう魔女が告げると、また部屋のすみの一部で、ふたつの影が立ちあがった。
やってきたのは、昼間訪れた兄弟に瓜二つの人形であった。
やはり裸で、股間には―――特に十歳のポウレにはあり得ぬ巨大なペニスがそびえていた。
妖しい笑みを浮かべたまま、魔女は昼間兄弟から抜き取った髪の毛をもとに、数時間のうちに造りあげた、半分生物半分人形の存在を見つめた。
基本そっくりそのままに、しかしペニスだけは巨大に仕立てるのは、彼女の好みによるものだ。
兄弟人形からのクンニ奉仕。お返しのフェラ
「脱がしなさい」
その指示に従って、ギュンとポウレの人形が、見事な手際の良さで、魔女の衣類を脱がせはじめた。
赤い帯も、青い服もすぐはぎ取られ、純白の下着も、靴下も脱がされた。
全裸になり、魔女は恥じらいもなく股を開いた。
「お舐め」
まるで躊躇の様子なく、ギュンとポウレの人形は魔女の股間に顔をうずめた。
クリトリスを、陰唇を、兄弟の人形は犬のように舐めた。
魔女のくちびるからは、甘い声がもれだした。
「あ、ああ、いい、いいわ。ポウレ、ポウレはこっちに。おちんちん、しゃぶってあげる」
いわれたとおり、ポウレの人形が魔女の顔の前へと、その巨根を持っていった。
突きつけられた亀頭へ、魔女はむしゃぶりついた。ものの三十秒とたたぬ間に、ポウレの人形のペニスから、まるで溜め込んだ尿のような勢いで、大量の精液が噴出した。
「ぷはっ」
ペニスを吐き出してなお射精はつづき、魔女の顔を、頭を、精液で染めた。人形たちはすべて、あえて早漏に造っている。そのかわり射精してもけっして萎えることなく、延々性行為がつづけられるようにもしている。
人形たちとの大乱交。穴という穴を……
「ギュン、突いて」
魔女の命に対する是非を、人形は口にしない。ただ即座に行動した。ギュンの人形はその巨根を、魔女の秘所に突きいれ、その瞬間に射精した。びくびくペニスを跳ねさせながら、しかし腰は激しく動き、魔女へと快感を与えつづけた。
「ああ! いい、みんな、みんなも!」
他の人形立ちも動きだし、乱交が始まった。
青年の人形が、魔女とギュンの人形をまとめてひっくり返し、後ろから魔女の尻を突いた。
ポウレも含めた子供の人形三体は、魔女の顔の前まで来て、ぱんぱんにふくれた亀頭をみっつまとめて魔女のくちびるに押しつけた。
下になったギュンの人形が両手で魔女の体を支え、あいた両手で、魔女は他の少年人形たちのペニスをしごきはじめた。
あまった人形たちは、そのペニスの先で魔女の乳首をくすぐったり、舌をもって脇腹や背中を舐めたりした。
「うぷ、あ、ぬぷ、あはっ!」
それは傍目には、男たちによる少女への集団強姦としかみえぬであろう。しかし犯しているのは、むしろ魔女のほうであり、魔女こそがこの狂乱の支配者であった。
魔女の望みどおり、ギュンの人形も青年の人形も、けっして動きをとめることなく、何度も何度も射精した。
魔女の膣からも、尻の穴からも、あふれた精液がごぼごぼと流れ出していた。
眼前のみっつのペニスのひとつへ、魔女はむしゃぶりつき射精させ、すぐに次のペニスに移って射精させ、もうひとつも同様に射精させた。
つづいては口にはくわえず、みっつの亀頭をまとめて舐めまわし、三本まとめて果てさせて、大量の精液を顔で受けた。
魔女が手でしごいているペニスも、乳におしあてられているペニスも、負けずに射精をくりかえし、たえまない白いシャワーを魔女へ浴びせた。
乱交はひたすらつづき、やがて魔女は人形たちにかかえあげられ、仰向けで宙へ浮いたような状態となった。
そうなりながらも、膣も、尻も、ともに突かれつづけた。頭は重力に従って、のけぞるかたちで垂れ下がり、その口には普通とはさかさまのかたちでペニスがつっこまれた。
魔女の指示により、人形たちはこまめにその立ち位置を入れ替えていたはずだが、ここまでくると、自分が誰に膣を突かれ、誰に尻を突かれ、誰のモノをくわえ、誰のペニスをしごいているのか、その魔女にすらわからなかった。ただ狂った快感のみがあった。
十数回目の絶頂ののち、魔女は軽く―――二~三秒だけ失神した。
人形たちは優しく、全身白濁液まみれになった魔女を、クッションの上におろした。
魔女はぼんやり、天井をながめながらいった。
「きょうは……このへんにしとこっかな」
体を、人形たちに拭かせてもいいのだが、今夜はこのまま寝たい気もした。
魔女が軽く手を振ると、ギュンとポウレの人形が、彼女の両横に寝ころがり、魔女を抱きしめた。それらにはあきらかな体温があった。
「おやすみ」
そう告げて、満ち足りた幸せな気分で、魔女は眠りに落ちた。